今回のゲストはGiardino(ジャルディーノ)園田 紀子 さん。

花やグリーンを取り入れた植物のある暮らしは、私たちの空間を彩ってくれるだけでなく、過ごす人の気持ちも穏やかに癒してくれます。そこで今回は、植物のある暮らしを楽しみながら、寄せ植えの体験講師や生涯学習講座の講師として活躍する「園田 紀子」さんにお話を伺いました。

園田 紀子 / Noriko Sonoda
ギャザリング講師。木工雑貨+グリーン ギャザリングのお店「Giardino」を主宰。
— 経 歴 —
都城市内の生花店にて5年間、花束やアレンジメント、寄せ植え等の制作や販売を担当。2014年に寄せ植え教室中心の花屋として独立。2016年からギャザリング考案者である青木英郎氏に師事。2017年10月国際フラワーEXPO IFEXアレンジメントショー in 幕張メッセにてデモンストレーションを実施。現在は師のもとを離れ、都城市高城町の自店で開催するレッスンに加え、指導者資格取得に向けた講座、イベント出店や会場装花、作品制作などで幅広くギャザリングの普及に関わる。

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植物のある暮らし、仕事との出会い

――お店の名前の由来を教えてください。

イタリア語で「庭」を意味する「Giardino(ジャルディーノ)」。こどもの頃から自然豊かな場所が好きで、草花に囲まれた暮らしに憧れを持って育ちました。そんな素敵な場所を求め、高城町の自然豊かな景色が広がる街にアトリエ(店舗)を構えました。

店舗がある同じ敷地内には、夫が経営する自動車整備の工場があります。何もなかったこの場所に旦那さんの力を借りてGiardinoが誕生しました。ちなみに、Giardinoの建物は夫が資材を集めて手づくりで仕上げたものです。特に内装には私の思いやこだわりをシンプルに表現してもらっています。

 

――この仕事を始めたきっかけを教えてください。

この仕事につくまでは、昼間の事務の仕事などを経験してきましたが、「植物が好きで、いつかは植物に携わる仕事につきたい」と思っていました。その頃、偶然、見つけた求人が花を扱う仕事でした。勤めていた店舗では、販売だけでなく、会場装花や在庫管理など花屋として貴重な経験をさせてもらい、現在も、その当時の学びが財産となっています。

それから数年が経ち、花屋として独立を考えはじめ、アトリエを構えたいと決心し、自分一人でもできる小さな花屋を目指すことにしました。そこで店名の由来となった「 Giardino = 庭 」のコンセプトを元にまずは、「寄せ植え」を中心に体験を楽しめるお店をスタートしました。

 

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一冊の本との出会いをきっかけに「ギャザリング」の道へ

――新しい寄せ植えの手法「ギャザリング」とは?

花苗の土を限界まで落とし、ブーケのように束ねた苗を組み合わせていき、出来上がりの瞬間から素敵な花苗を楽しむことができる寄せ植えの手法です。

ギャザリングの人気の理由として、一つの苗を小さく分解して束ねてから植えることで、小さな鉢でも多くの種類の花を植え付けることができます。また、根付きの状態でフラワーアレンジメントのような美しさを表現でき、花瓶に生けるよりも長く観賞できる点が魅力です。

 

――ギャザリングとの出会いを教えてください

ある一冊の本をきっかけにギャザリングに出会いました。その本の監修者であった愛知県のフラワーアーティスト青木英郎氏から本格的に学びたいと一念発起し、何とか青木氏が指導するワークショップに参加できないか情報を集めていたところ、それが偶然にも鹿児島県で開催することが分かり、生徒として参加することができました。

一冊の本との出会いによって、青木氏からギャザリングの手法を学ぶことになり、念願であった講師資格を取得。これからの仕事への手応えをつかみ、大きく動き始める忘れられない出来事になりました。

 

――ギャザリングを初めて体験する方へのアドバイスはありますか?

今では私のレッスンの中心となったギャザリングですが、現在約30名の方が生徒さんとして学んでいます。全12回で6種の型を学ぶ「一般コース」。一般コース修了後、指導者資格取得を目指し、正しいギャザリングの心得と技術を伝えていく「マスターコース」があります。マスター資格取得者は指導者として後進の指導にあたり、教室を開くこともできるようになります。

他にも初回体験コースとして「花遊び教室」や「ハンドメイド教室」も随時開催していますので、初めての方でも気軽に参加いただいています。

 

――ギャザリングの楽しみ方を教えてください?

陶器、ガラスだけでなく、アルミや木製品などの花器やプランツポットが多いことも「ギャザリング」の魅力です。様々な花器を活用することで、器を先行して、花やグリーンを選んで自由な発想で楽しむことができます。

また、私の好きなお花の一つであるチューリップは球根から育てるのを楽しむ、育てる喜びを味わいながら、日々植物たちの成長を見守るといったこともできます。幼稚園や小学校でも球根から育てる学びを経験しますよね。それが原点なのかもしれませんが、好きなお花としてチューリップを選びました。

 

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私たちの世代だけでなく、次の世代へと伝え、つないでいく

――これからどのような活動に力を入れていきたいですか?

私が10年以上前から活動の軸としている体験型ワークショップの業界は、次々と若い人たちが集まってきており、日々新たなジャンルが増えつつあるように感じています。そして、ワークショップ講師として注目を集め活躍する人材も多数いる中で、講師同士が力を合わせてコラボレーションする動きにつながっています。

私自身も昨年立ち上げたワークショップ講師グループの会社「Msフィールド」の一員として活動を積極的に広げています。

Msフィールドでの代表的な活動では、2023年12月に「みんなでつくるキャンドルナイト」を開催し、まちなかの歴史的な建物である攝護寺周辺をたくさんのキャンドルで彩りました。

 

――最後に、開催予定のイベントがあれば教えてください。

2024年4月28日(日)に、Msフィールド主催で「あおぞらワークショップ」を開催します。このイベントでは、多肉植物の寄せ植えのワークショップ※満員御礼※を実施します。ワークショップの観覧は無料となっておりますので、ぜひJR西都城駅に遊びにいらしてください。

今回の西都城駅でのイベントは駅の広場でワイワイ楽しめる光景をイメージしてイベントのポスターを制作しています。この機会に屋外で過ごしながら植物の魅力をたくさんの方々に伝えたいですね。

【満員御礼】あおぞらワークショップ

ふるさとの豊かな自然、昔から親しまれている場所や行事、地域に根ざした文化活動などは、その活動自体が魅力的な価値を持つものだと思います。人との関係を深め、たくさんの人にとってのよりどころになるものをこれからも伝えていけたらと思います。

 

――園田さん、ありがとうございました!

※上記記事は2024年4月に取材したものです。時間の経過による変化があることをご了承ください。

Giardino(ジャルディーノ)