今回のゲストはコットンハウスあぶあぶ 秋吉 清子 さん。

都城市中町の複合商業施設「オーバルパティオ」に店舗を構える手芸・生地専門店「コットンハウスあぶあぶ」。あぶあぶの大きな魅力の一つはその豊富なバリエーションで、布・生地、ボタン、糸(刺繍糸・毛糸)、ファスナーなど品揃えは実に約1万点にも及ぶという。そこで今回は、長年に渡って地域のお客様から愛される老舗店を経営する「秋吉 清子さん」にお話を伺いました。

あきよし せいこ / Seiko Akiyoshi
協同組合都城オーバルパティオ理事長。有限会社 あぶあぶ 代表。宮崎県出身。「こんな生地、あったらいいな」というお客様の声にお応えする専門商品に特化した店づくりを軸に、パッチワーク教室や手づくり展示会を開催するなど幅広く活動する。何十年もお店に通い続ける手芸好きから、初心者の方まで様々なお客様の要望に応えながら、日々ものづくりの魅力を伝えている。

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ものづくりの魅力と店名の由来

――現在の仕事に就いたきっかけを教えてください。

特別手芸好きの家庭で育ったわけではありませんが、こどもの頃からものづくりに親しんできました。私が幼少期だった時代を振り返ると、祖父からの影響ではじめて、ものづくりの魅力を知りました。その当時、祖父が手づくりしていたものが和紙でした。和紙づくりをする祖父の姿が思い出として記憶に残っており、原点になっているのだと思います。その後、主人と結婚し、東京や大阪などで、今の仕事でもある「手芸・生地」を取り扱うお店で働くことになり、その頃に商品の知識や経営に関するノウハウを学びました。それから数年を経て、宮崎に帰り、都城でお店を構えることになりました。

本格的に、ものづくりの道へ進んでいったきっかけは、その当時、宮崎市にあったある教会での出来事でした。その教会で使われていたカーテンの生地や刺繍の美しさに触れる機会がありました。また、教会で働いていた方も手芸をしていたこともあって知り合いとなり、手芸を通して、ものづくりの魅力を深めることになりました。

 

――お店の名前の由来を教えてください。

コットンハウスあぶあぶ」の店名は「UP↑UP↑(アップアップ)」をイメージしました。それと、こども達にも覚えてもらえるよう分かりやすく印象深い店名にしたいという思いで名付けました。二文字同じ言葉を繰り返す店名は、お客様の記憶にも残りやすく、愛着を持って呼んでもらえるといいなと思っています。

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手仕事、手作りの魅力

――普段のお仕事の内容を教えてください。

仕事の内容は、お店での販売が基本ですが、月に2回パッチワーク教室を開催しています。いろいろな色や柄の生地を縫い合わせて作るのがパッチワークです。布が貴重だった時代は、ぼろぼろになって着れなくなった衣服などで、まだ使用できる箇所を切り出し、縫い合わせて再利用して、継ぎはぎの一枚を仕立てました。生地の再利用は、今の時代になって求められる機会も増えています。

パッチワーク独特の美しい模様は、芸術的な作品づくりとして楽しめる要素もあります。パッチワークを学ぶことで、スカートやバッグなどのファッションアイテムに限らず、ラグやクッション、カバーなど、日常使いのアイテムを自分でつくれるようになります。

 

――パッチワーク教室を通して学べることを教えてください。

あぶあぶのパッチワーク教室は「売ってないものなら、自分でつくってみること」「そのほうが買うよりうれしい気持ちになれること」をものづくりのテーマにしています。これまで、いろんな町で仕事や生活をしてきましたが、どの町でも、ものづくりをしてきました。

私自身も仕事で高校ダンス部の衣装をつくらせてもらったことで、高校生とのご縁がありましたし、何よりも、ものづくりを通して、たくさんの人達との出会いがあります。鮮やかな生地に合う刺繍、ビーズアクセサリーなどを使って、いろんなものをつくってみたいと思っています。今も毎日のように何かしらつくることを考えています。

これをつくろうと決めてから、作品づくりに入るときのワクワクする気持ちを大切にしています。

最近では、「手作りは出来ないけれど、入園や入学で必要」という方からのご相談もよくございます。
作るのが難しい方には、私がお仕立ていたします
店内の布から好きな柄を選び、持ち手やボタンなどのパーツを一緒に選びます。
世界でひとつの手作り作品を一緒に作ってみませんか。完成したときの喜びを一緒に共有できた時は、私も嬉しくなります。

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ものづくりの将来と都城の未来に向けて

――ものづくりの将来に向けて、期待されていることをお聞かせください。

昭和から平成、令和へと時代が変わっても、実際に商品を見て、質感・手触りなどを確かめることは大切で、それはなくなることはないのかと思います。体力が続く限りは店という「場」を大事に今後も長く商売を続けていきたいと思います。

今でもお客様から、この商品で「こういうものが作れる」と新たなアイデアを持った方がたくさん足を運んでくださいます。それは、長くこの場所でお店をやってこれたからだと思っています。多様なものづくりをする人が集まる「まちなか」には魅力があり、ワクワクできる場所なのだと思います。

 

――これからどのような活動に力を入れていきたいですか

手作り作品を集めた、作品展を開催しています。前回はウエルネス交流プラザで開催しました。パッチワーク作品や洋服などの展示品を鑑賞して心を豊かにするイベントになります。今年か来年には開催できるように作品づくりに力を入れていきたいと思います。

 

――最後に、都城への思いをメッセージで一言お願いします。

都城のまちづくりのために、さまざまな活動に関わっていますが、その中の一つで理事長を務めている「協同組合都城オーバルパティオ」は今年設立26年目を迎えます。「歩きたくなる街」を思い描く中で、自分たちの商売も大事ですが、街全体が良くならないとお客様も来てくれません。ゆっくり歩いてまわりながらお買い物が楽しめるような魅力ある街にしていけたらと思っています。

まちなかに訪れたお客様が喜んでくれたら、「まちづくりの成功」なのかもしれませんが、それで終わりでもありません。もうちょっとこうなればいいなと考え続けて、みんなで何かしら手を動かすことを実践し、伝えていけたらと思っています。

――秋吉さん、ありがとうございました!

 

コットンハウスあぶあぶの情報はこちらよりご確認ください。
入園・入学 手作りグッズのお仕立てについてはこちらよりご確認ください。
オーバルパティオについての情報はこちらよりご確認ください。
ニカイノテラスについての情報はこちらよりご確認ください。

※本記事は2024年2月に取材したもので、都城泉ヶ丘高等学校「探究活動」にて5名の高校2年生に協力していただきました。

※本記事について、時間の経過による変化があることをご了承ください。

コットンハウスあぶあぶ