施設名称決定!さつまいもの未来を照らす

『霧島さつまいも種苗生産センター「イモテラス」』 竣工

芋焼酎造りの原点となるさつまいもの育苗施設が稼働開始

 霧島酒造株式会社(代表取締役社長:江夏順行、本社:宮崎県都城市)が2023 年1 月より建設を進めてきた、甘藷種苗生産施設(仮称)改め『霧島さつまいも種苗生産センター「イモテラス」』(以後「イモテラス」)が竣工し、2023年9月25日より稼働開始しました。
施設の愛称である「イモテラス」には、日本書紀などにおいて太陽神として知られる天照大神(アマテラスオオミカミ)のようにさつまいもの未来を照らす明るい存在になってほしいという想いが込められています。
また、太陽のように輝くさつまいもと力強く育つさつまいも苗をイメージした施設ロゴで、明るい未来への想いを表現しました。

施設ロゴ 施設外観(空撮写真)

 

 本施設「イモテラス」は種苗の段階における「サツマイモ基腐病」(以後「基腐病」と呼称)拡大防止のほか、さつまいもの研究開発を目的とした施設です。菌やウイルスが検出されないさつまいもの茎頂(けいちょう)を切り出して培養した苗(以下、茎頂培養苗)を育成し、健全なさつまいも苗を生産農家の皆様へ供給していくことが主な任務です。

 昨年4月に基腐病対策・支援を行う特設チームを立ち上げ、生産農家の皆様とともに基腐病対策を強化し、基腐病の発生率を最小限に抑えられるよう努めてまいりました。昨年度を上回る量のさつまいもを確保できるよう、生産農家の皆様と基腐病対策に関する積極的な情報交換を行っております。本施設内にある茎頂培養苗の生育状況は順調であり、予定通り2023年11月より約2万5000本の健全な苗(ポット苗)の供給を開始します。その後、2024年3月には約175万本の切り苗の供給を計画しております。本施設の稼働を通してさつまいもの生産体制を強化し、一刻も早く、休売している黒霧島と白霧島の一部商品の販売再開を目指します。

 霧島酒造は、芋焼酎造りの原点であるさつまいもづくりから基盤を固め、持続可能な焼酎造りを確かなものとするとともに、新商品開発のきっかけとなるような品種改良を含めたさつまいもの研究開発を推進してまいります。引き続き、生産農家の皆様と一緒に基腐病の克服を最優先課題とし、商品の安定供給、さらなる品質の向上に努めてまいります。

 

施設写真
管理研究棟 育苗ハウス内部
育苗ハウスで育成中のポット苗 茎頂培養を行っている様子

 

事業内容

健全な苗の育成・供給

 基腐病に限らず、病害発生リスクの少ない健全なさつまいも苗を生産農家の皆様へ供給するため、菌やウイルスが検出されない茎頂培養苗を育成します。供給する品種は、これまで主に使用していた品種「黄金千貫(コガネセンガン)」に加え、基腐病の抵抗性が高い品種「みちしずく」などを予定しています。

さつまいもの研究開発

 さつまいもの安定確保と新たな価値の創出を目指す研究室を設けました。栽培環境の把握・省力化、新品種の研究などを行い、生産農家の皆様を支援してまいります。

 

施設概要

住所

宮崎県都城市志比田町10877番地

建物構造

鉄骨造り2階建て(管理研究棟) オランダ式高軒高ハウス(育苗ハウス)

延べ床面積

9,942m(うち研究棟1,238㎡、育苗ハウス8,704㎡)

敷地面積

17,565㎡

総工費

約14億円

着工

2023年1月31日

稼働

2023年9月25日

生産能力

最大200万本(切り苗)、最大9万本(ポット苗)

 

経緯

 近年さつまいも生産農家の高齢化や転作・離農が続いていた中、2018年に初めて国内で確認された基腐病の流行が重なり、霧島酒造の2022年のさつまいもの確保量は、前年に引き続き、2年連続で計画を下回りました。この影響を受け、霧島酒造では商品価格を改定したほか、一部商品を販売休止しております。
 持続可能な焼酎造りの全体構想「KIRISHIMA SATSUMAIMO CYCLE~さつまいもを、エネルギーに。~」を掲げる霧島酒造は、基腐病の克服が急務であると考え、生産農家の皆様と共に基腐病菌の防除対策を進めてまいりました。これからも生産農家の皆様に安心してさつまいもを生産いただくため、イモテラスを建設することとなりました。

 

霧島酒造が実施した主な基腐病対策

  • さつまいも購入価格の見直し

 生産資材(肥料、農薬、燃料等)の価格高騰や生産農家の皆様の基腐病防除対策費の補填として、2022年度集荷分より、生産農家からのさつまいもの購入価格の見直しを行い、2023年度も購入価格の見直しを行いました。

  • 次年度に向けた種芋の確保と消毒
    生産農家が各々で確保している種芋を霧島酒造でも確保することで、生産農家の種芋に病害がみられた場合に早急に補填できるようにしました。また、種芋から基腐病が発生してしまうリスクを最小限に抑えるため、2022年10月に蒸熱処理装置を2基導入し、一部種芋の消毒のために使用しています。
  • 農薬散布の啓蒙と支援
    基腐病の防除を目的として、生産農家に対して積極的な情報共有を行っております。また、2022年度から要望があった一部の農場において、霧島酒造主体でドローンでの農薬散布を開始しました。

お問合せ

霧島酒造株式会社 企画室
TEL:0986-22-2324 
FAX:0986-27-1633

霧島酒造株式会社