2026年2月9日に都城高専建築学科 杉本弘文 准教授による「まちづくり講座」を開催しました。

講演では、まちをより良くするための考え方や実践のヒントが、多くの事例とともに紹介されました。

本記事では、講座で得られた気づきを3つのポイントに分けて振り返ります。

講演

コトを起こす力――“「1勝99敗」ができる人が社会を変える”

「1勝99敗」と聞くと、1回成功するためには99回失敗しなければならないのかと感じる方もいると思います。

ですが、単純に数をこなすとか、当たって砕けろという姿勢とは違い、「できる」という人の想い(動機)の中に重要なヒントがあるのだと分かりました。

そして、その想いに加え、もう一つ重要なポイントは実現までの具体的な道すじが描けていること。

“人の夢を笑わない”と語る杉本先生のいう「夢」とは、ぼんやりとした願望とは異なり、建築のように、今は実現していなくても「設計図を書いて組み立てれば形にできるもの」だと気づきました。

 

都城高専では、モノづくりの力をコトづくりに展開していくアントレプレナーシップ教育(起業家精神の育成)が推進されています。

講演では、空き家再生プロジェクトなど、学生が地域と連携して課題を発見し、解決に向けた事業や活動を起こしていく事例が紹介されました。

地域の活性化についても、「できるかどうか」ではなく「どうやったらできるか」を軸に、計画を立てて実践していく姿勢の大切さを学びました。

想いを伝える――「デザイン」でまちの良さを磨きあげる

なぜ、「まちづくり講座」で「デザイン」が語られるのでしょうか。

講演を通して、デザインは人の暮らしや「その人らしさ」に関わるものだと気づかされました。

また、建物や街には、ただ造られる以上に、その場での過ごし方への想いが込められていると知りました。

 

杉本先生は、人々の活動や暮らしを含めて「まち」と捉えています。

そして、「…づくり」という言葉は、新しいものをゼロから生むのではなく、もともとある魅力を見つけて大事に磨きあげること。このお話には、多くの参加者が気づきを得ていた様子でした。

 

人の暮らしが時代や地域によって変わりゆくものと同じで、「まちづくり」にも、いつでもどこでも通じる「正解」はありません。

地域の課題に向き合い、住民の気持ちを動かすことで行動が起こります。その積み重ねが、やがてまちを変えていきます。

自分のまちの磨きたいところを見つけて、その想いをカタチにする。それが、私たちのできる「デザイン」ではないでしょうか。

ワークショップ

マンダラチャート×「まちづくり」

マンダラチャートを活用したワークショップでは、中心に『まちを活性化する!』と掲げ、そのために必要な要素を書き出していくのですが、すべての枠を埋めるためには72項目を考えなければなりません。

ましてや、『まちを活性化する』このゴール自体があいまいで、人によって思い描くイメージもばらばらです。

結構難しいのではないか?と思いましたが、いざ取りかかってみると、一つひとつの枠を埋めることによって、ゴールまでの道のりを細かく示していることに気づかされました。

大きな目標を小さく分けて取り組める計画へと落とし込んでいく、次々と思い浮かんだ自分のアイデアがワークシートに記されていきます。

年代も職業もさまざまな参加者が集まりましたが、書かれたワークシートには、一人ひとりの暮らしや価値観が反映されていました。

「子供がのびのび育つ」「人やお金が集まる」「自分の好きや得意を活かす」といったアイデアが、それぞれの言葉で綴られていました。

 

このワークショップでの杉本先生のねらいは、“自分の言葉で「まちづくり」を語る”ことでした。

皆さんの発表を聞くうちに、「自分だったらこう考えるかな」と、自分のシートもさらに埋まっていきました。

意見交換を通して多様な考えに触れるうちに、皆さんの表情も次第にいきいきとしていきました。

まちへの想いをどのようにカタチにできるかを考え、その計画を伝えて、聞いた人の気持ちを動かしていく。そんな「まちづくりの第一歩」が、確かにそこにありました。

 今後に向けて

杉本先生のお話は、膨大な量のスライドで様々な話題を取り上げているようで、こうして振り返ってみると、実は一本の芯が通っていると気づかされました。

今回の講座で得た気づきを活かして、1か月後のフィールドワークでは、先生のガイドのもとでまちを歩きます。住み慣れたまちの意外と知らなかった一面を知れば、「まちづくり」のイメージにさらに磨きをかけられそうです。

3月1日(日)フィールドワークの記事はこちら

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